久しぶりに北海道の知床に行ってきました。何年振りか直ぐに思い出せないのは年のせい?それとも余りにも行っていなかった為!ともかく本当に久しぶりの渡道です。北海道へは茨城県の大洗からフェリーに乗って約18時間、船内の探索をしては昼寝、起きれば風呂に入り食事、後は又寝台でゴロゴロ、そして何時しか寝てしまう。普段せかせかしている僕にとって、何もする事が無い“退屈な時間”が以外にも不思議で心地良かった、そして漁港に水揚げされた蛸のように“ぐでぐで、ぐにゃぐにゃ”している内に苫小牧到着。

 苫小牧から知床までは急ぐ旅ではないので先ずは日高経由で襟裳岬まで、久しぶりの北海道なのでゆっくりとドライブを楽しみました。襟裳岬に到着したのは日も暮れかかる頃で夕日に輝く熊笹原がとっても綺麗!ここで車中泊と思っていたのですが余りにも風が強い、予定を変更して夜の国道を釧路に向かう事にしました。ここ襟裳岬はは日本有数の強風地帯なのだそうです。散々寝たので体力はバッチリ、一気に釧路を目指しました。そして釧路に23時に到着!



襟裳岬まであと17km、烏賊の看板に思わず1枚。日没が迫ると同時に空の色も刻々と変化していった.

 

 翌日は朝から晴天。厚岸の港でサンマの水揚げを見て近くの愛冠岬を見物、太平洋沿岸を東に向かい霧多布、根室、そして納沙布岬まで完全な観光の旅状態でした。でもさすがに季節は秋です。海岸には秋風が吹き、透き通るようにきらきらした空気の中、いい風景を見つけては“パチリ”ちょっと行っては“パチリ”、「今日も羅臼までいけないな〜」と思いながら「まっ、いいか〜」その中で見かけた昆布干しの風景が感動的でした。



朝に刈り取られた昆布は家族総出で干し場に並べられる.

 北海道に渡って3日目、ようやく知床半島の羅臼に到着。数年振りの羅臼は大分様子が変わっていました。「世界遺産」登録の影響なのでしょうか道は驚くほど綺麗になり、観光客も以前の数十倍で街には観光客が溢れていました。これはこれで地元にとっては良いのでしょうが僕の好きな「風の音だけが聞こえる街」「漁業に懸命に生きる街」の様相は陰を潜め、なぜだかとっても寂しく感じました。でも暫くするとその不安も見事に解消。ここに来る度に寄っている店に顔を出すと「久しぶりだね〜」「これ、食うか?」「あれ、食うか」と、昔とちっとも変わりない人懐こさと北海道弁。「風景は変われど人は変わらず」羅臼の暖かい人たちは健在でした。

 翌日からは仕事始め、久しぶりのオホーツク海です。今回も“知床ダイビング企画”の関さんにガイドをお願いいたしました。関さんは北の海のパイオニア、スーパーガイドであり非常に良い絵を撮る名カメラマンでもあります。僕が心から信頼している方でもあります。「う〜ん楽しみ!」

 楽しみと言えば、この仕事、人からは「色々な所に行けていいですね〜」とか「楽しそうですね〜」とか言われるが「自然相手なのでしんどいです」「体力勝負です」などと取り敢えず言っちゃいますが本音は「本当に楽しい!」皆さんにはひんしゅくを買いそうで申し訳ないのですが海を見ると「わくわく、ドキドキ」なのです。今回も思いっきり楽しませてもらいました。

 先ずは川に入りカラフトマスの遡上の撮影。これはさすがに水温も低く指先が痛くなる程なのでシンドカッタです。でも体をボロボロにしてまでも遡上する姿を見ていると手が悴んで痛くなったのも忘れるほどでした。



岬先端まであと数キロ、船のエンジンを止めると風の音だけが聞こえてきた.

 

 凄かったのは知床岬先端部に船で行った時に見た海中のカラフトマス、遡上直前の奴らが回遊しているのです。小川の流れ込む小さな湾に遥かアリューシャンから数年振りに戻ってきたマスがコンブの林の中を悠然と泳いでいます。その姿は凛々しく堂々と見えてシャッターを押さずに見とれてしまうほどでした。



コンブの林の中を駆け抜けるカラフトマス。海の中の彼らは川で見る姿からは想像もつかないほど美しくエネルギッシュだった。

 海の中では凛々しい姿を見せてくれたアツモリウオ、食べたいちゃい程かわいいダンゴウオ、ひょうきん者のフサギンポなどの千両役者が出迎えてくれました。



北の海の顔役、眼と眼があうと隠れるくせにこちらが知らん顔を していると様子を覗きに来る面白い奴.

 



海藻の切れ端の上には1cmにも満たないダンゴウオがこちらを見ていた.



ここ羅臼では定番のアツモリウオ、シックな海底の中で鮮やかな姿を見せてくれた.

 そんなこんなで知床での約10日間はあっという間に過ぎてしまいました。もっと書きたい事があるのですがこれ以上文章力の無い僕が続けるとえらいことになりそうなので・・・・。
次は何処の海にゆこうかな〜!

 

* 陸上写真はフジ S3Proでデジタル撮影
* 水中撮影はニコノス+15mm、キャノン EOS3+100mmマクロ
  ペンタックスLX+50mmマクロ

 

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