「 黄金色の時 」
節の移ろいやその時々の気候の変化は私たちにとってすばらしい贈り物をしてくれることがある。「海霧」もその一つだ。水温と気温の差が激しくなると起こる現象だが気温が高い場合は空全体が霧に覆われ、水温が高い場合は水面から沸き立つように霧が発生するようだ。冬、底冷えした無風状態の時に夜明けとともに亡霊のように水面に出現して日の光が照らし出したと同時に消えてしまう。
 沼津市江之浦に発生する「海霧」、地元では「しおくずばんば」と呼ばれている。それは湾の東側に海まで迫るような高い山があるからだ。陽の光が湾に差し込むのは8時頃、いくら冬の弱い光といってもこの時間になると力強い。湾に光が差し込んだ瞬間に全てが黄金色に包まれる、その美しさと神々しさは日本各地を撮影で廻る私が見た「海霧」の中でもひときわ美しいと思っている。“黄金の園”に全てが包まれて数分、大気は一気に暖められて幻のような時は終わった。
撮影地:沼津市江之浦  ゼンザブロニカSQA 150mm 1/125  f5.6 フジRVP




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阿部秀樹写真事務所/HIDEKI ABE PHOTO OFFICE
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